「あのさ、千広くん。」

沈黙に耐えきれなくなって、私は千広くんの名前を呼んだ。

「千広。」

「へ?」

「千広って呼んで。」

「ぇっ、なん「いいから。」

言葉を遮られた。

やっぱり変だ。

「千..広...」

「よくできました。」

そう微笑んで頭を撫でられた。

変だ。

さっきまで目すら合わせてくれなかったのに。

冷たかったり、優しかったり。

今日の千広は、謎。

「あのさ、ここ教えてほしいんだけど。」

千広にそう言われて、私たちの勉強会は"いつも通り"に戻った。