「それじゃあ、蒼真君がドジをする前に行きましょうか」
「……ドジ?」
晶の口から放たれた言葉は、とても蒼真とは結びつかなかった。
そりゃ、まぁ…ぶつかったけどドジには見えないよ。
「馬鹿にするな。俺がそう易々とドジを踏むわけ…」
「ちょっ、蒼真!そっち壁!ストップ!」
ギリギリの所でぶつかることをまぐれた蒼真。
確かに晶の言う通りドジ、かもしんない…。
「ほら、また。気を付けてよね。じゃあ、行きましょうか」
「う、うん…。あ、蒼真こっちこっち」
「……すまん」
蒼真がドジるよりも早く、私は蒼真の腕を掴む。
ちょっと、シュンとして潮らしくなった蒼真が少し可愛く見えたのは私だけの秘密だ。
「そうだ、まだ紹介したい人がいるんですよ。後で紹介しますね」
「紹介?あ、もしかして晶の友達とか?」
「うん。皆個性的だけど良い人ばかりだから…すぐに仲良くなれると思いますよ」
晶の友達かー…、じゃあ蒼真の友達でもあるね。
どんな子達だろ。
でも、まぁ…。
晶と蒼真も十分個性的だから、な。
さらに個性的な人達が増えるんだね…。
バレたりしないかな…


