「すみません。怪我はありませんか?」
「え?あ、うん。平気…、大丈夫、だけど…」
ニッコリと笑みを向けられて、手を差し出された。
私はとりあえずその手を握って立ち上がり、まだ座り込んでいる男の子に手を差しのべる。
「ごめんなさい。大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。すまないな…」
その人は乾いた笑みを浮かべ、私の手を掴んで立ち上がる。
正直今、もの凄く言葉遣いに気を付けてる。
だって、この人達も私と同じ高校だからね。
バレたら大問題だし。
「貴方も同じ高校だったんですね」
「うん、わ…じゃなくて。お、俺は蒼神雪羅…貴方達は?」
「僕は霜月晶(シモツキアキラ)です。そしてこちら子が…」
「柊蒼真(ヒイラギソウマ)だ」
霜月晶さんと柊蒼真さん…、よし覚えた。
私の名前で感ずかれたりはしてないよね?
したら大問題だし…。
「よろしく。霜月さん、柊さん」
「さん呼びなんてやめて下さいよ。普通に晶でいいです」
「俺も呼び捨ての方が慣れている。君は…雪羅でいいか?」
「え?あ、…じゃあ晶と蒼真、ね。うん、俺も呼び捨ての方がいいかな」
確かに呼び捨ての方が楽だし、何かと便利だよね。
でも、晶と蒼真が良い人で本当によかった~…。


