「寮生だからなぁ…、多分何人かと同室だよね…」


姉さんのバカー!!

いきなり男子高なんて、非常識にも程があるよ


早くなんとかしないと…

どうしようもないもんね…




「大体姉さんは勝手だよ。…あの人だって生きてるかどうかわからないのに…」

「――!!危ない!!」


「……はい?」


ドンッ!


「……たぁ…っ!」

誰かの声がしたと思ったら、曲がり角で誰かとぶつかった。

正直に言えば、そこまで痛くはない。


けど、

反動…って言うのかな?

そのせいで私は尻餅をついてしまった。


でもそれは、ぶつかった相手も同じだったみたい。



ぶつかった箇所を擦りながら、体を起こす。

その人物は、私と同じ制服を着ていた。


つまりは、私と同じ高校の人……




「もう、ちゃんと前を向いて歩かないからだよ?」

「ちゃんと歩いていた。…仕方がないだろ」


遅れてやって来た人は、明るい空色の髪を靡かせて瞳も明るい緋色。


私とぶつかった人は、キラキラした黄金色の髪と澄んだ金色の瞳だった。