「すみません、佐倉の方々ですね?」

そんなわらわら地獄の中、話しかけてきたのはネコミミメイド。

「そうですけど……あなたは確か」

「申し遅れました。私は生徒会長付きメイド、イリアといいます」

深々と頭を垂れるイリア。

「イリアさん。それで佐倉に何かご用件でも?」

「はい。おばあは、今どちらにいらっしゃるかご存知ならばと」

「お初さんなら学園で留守番をしていらっしゃいますわ。月見には参加していませんわよ」

「……そうですか。なら、これを皆様で分けてください」

そう言って手渡されたのは重箱。

数段積まれたのがいくつか。