不意に初は小さな猫の姿になって花王の足に乗った。 そしてその上で丸くなる。 花王は少し微笑んで欠伸をする初を撫でた。 「ありがとう」 丸い毛玉から尻尾が一度だけ振られた。 初を撫でながら眠らないようにと気をつける。 今寝たら確実に夢を見るだろう。 いきなりいなくなった友を探して途方に暮れる自分の夢を。 友がいなくなってから逝った仲間の夢を。 友をこれ以上恨まないためにも、今は寝ていけない。