「それで?何でアタシの許可がいる?」
「細心の注意はしますわ。けれど、神降ろしはどのような現象を起こすか未知数」
「最悪……寒緋の力を借りるかも」
「そんなことか。気にするな、当然のことだろう」
何故か微妙な空気が漂った。
寒緋が首を傾げると。
「……寒緋、変わったね」
「は?」
「頭でも打ちましたか?」
「衣通姫、いくら何でも殴るぞ」
「寒緋に殴られたら痛いですわ」
大袈裟に怖がって咲耶姫にしだれかかる衣通姫。
佐倉に本気で殴る気のない寒緋は少々むっとするが、要するに二人でイチャイチャしたかったのだ。
その証拠に咲耶姫が嬉しそうに衣通姫の美しい頭を撫でている。
二人の悪いところはいつでもどこでもイチャつきたいときにそうすることだ。
一日中ごろごろイチャイチャしていることもあるくらい。
これで家族愛しかないと言うから驚きだ。

