「最初は花魁言葉だったはずなんだけど」

『書けなかったので断念』

「えー、寒緋やってみて!」

「え。」

「そうねぇ、見てみたいわ」

「冬まで!」

「やってみればいいじゃないですか」

「御衣黄……」

『やってみよう☆』

「……しょうがない」

扇子の《神器・望月》で口元を隠して、花魁になりきって実はノリノリな寒緋。

「こんな感じでありんすか?」

節目がちに言われてしまえば。

『……』

「…………」

「わー!寒緋似合ってる!格好いいっ!!」

「それは良かったでありんす」

「……何というか」

『選択を間違えた。無理してでも花魁言葉にすれば良かった』

「わっちもこちらが良かったでありんす」

『わっちまで言わなくていい!ありんすしか言えないくせに!』