『《守》の御衣黄、《攻》の寒緋、《生》の吉野、《死》の冬。まぁ、四天王的位置付けかな?』

「吉野だけ設定が緩いな」

「んー?」

「御衣黄は花王にも劣らない結界、寒緋は唯一の攻撃型、私は死の管理者。吉野は確かに代を重ねるのが早いけれど……」

「緩い、と言われればそうですね」

『そのときは気が付かなかったんだけどね。《彼》が来たから、ああこれか、と思ったよ。だから、吉野は生の能力は持たないんだ。佐倉に回復の能力は無いから』

「……」

「彼ってー?」

「吉野は知らなくて良いことだ。いずれわかる」

「なるほど。この空間の記憶は戻ったらないのですね」

「……記憶があったらこんな話はしないわね」

『その通り。パラレルワールドだとでも思ってもらえばいいよ。さくらの園でこの記憶が戻ることはない』