「今後あんなことしたら、アタシが黙ってないから」

「わかってるわ。花王にも怒られたしね」

「そう」

よいしょ、と寒緋は立ち上がった。

「行くの?」

「聞きたいことも言いたいこともなくなった。タイマントーナメントに備えないとね」

「今年の参加者は強者揃いだって聞いたわ」

「……戦うなら強い方がいい」

それに、と寒緋は言葉を繋ぐ。

「アタシには花王がついてるから」

花王から採取した木材を骨にした扇子、《神器・望月》を開き寒緋は微笑むのだった。