冬は夜も眠らずに酒を飲んだ。

神の眷属である彼女にとって酒とは神酒。

すなわち、力を上げるものだ。

限界まで力の底上げをしてもシロモゲラの脅威を退けることは叶わなかったが。


それでも、冬は自分にできる精一杯をしていた。

異世界に飛ばされたとわかったそのとき、さくらの園の本体を通して異変を伝えていたのだ。

初は飛行機に天神学園のものが乗り込んでいないことと合わせて異変を確認。

生徒たちを助けるために学園長に連絡をつけたのだった。