「先輩、ありがとうございました。俺この天神学園に入学します」
するりと言葉が出た。
殊勝な態度の彼にイリアは少し瞬きをして。
「歓迎します。私たちは卒業してしまいますが、待っています」
完璧なお辞儀と共に彼への激励を送った。
そんなことをされたら頑張らないわけにはいかない。
「本当にありがとうございましたっ!!」
彼もお辞儀を返して正門へと走る。
やらなくてはいけないことが沢山あるのだ。
善は急げ、まずは両親に認めてもらわねばならない。
それから祖父の下で修行をしよう。
もっと、もっと強くなりたい。