くすくすと笑うイリアは充実した顔をしている。
「天神学園では人間も人外も仲が良いと聞いている。本当か?」
今日、誰かに聞こうと思っていたことだ。
聞きそびれていたが今なら聞ける気がした。
「まるで夢物語ですよね。でも、実際此処で人外たちは人間に混じって勉強をしたり、学校行事に参加してみたり……自由に過ごしています」
「もちろん貴女も」
「はい。私は天神学園でかけがえのないものを見つけましたから」
それは咲き誇る桜にも負けない美しい笑みだった。
妖艶に微笑むのではない、年頃の女性特有の魅力的な笑顔。
「そうか、良かった」

