「あれは……?」
正門に向かって中庭をショートカットしていた彼は不思議なものを見つけた。
白髪に瞳の赤いネコミミをつけたメイド。
そうとしか形容できない。
しかし、学校内でメイドを見ることになろうとは。
それもロングスカートの正統派。
ヘッドドレスや白い手袋までしていて仮装とは思えない。
それに……
「どうかなさいましたか?」
ネコミミメイドが彼に気づいて声をかける。
「え?……あ、いや」
「何か不備がございましたでしょうか」
考えごとをしていたとも言えず、しどろもどろになる彼にネコミミメイドはあくまで丁寧な対応だ。
……まてよ。
「もしかして、在校生……?」
不備があったのかとの問いだ、そう考えるのが妥当だろう。

