この世界には不思議が溢れている。 人間が気がつかないだけで不思議は常に隣にある。 天神学園には不思議たちが集まる雰囲気があり、理由があった。 その中で生きた半生は自分が生きてきた中で最高の思い出だ。 そう語った祖父は彼が知る祖父ではなかった。 まるで学生時代に戻ったように生き生きとしていて、彼は嬉しくなった。 幼い彼は嬉しいまま聞いてはいけないことを聞いてしまったのだ。 つまり、何故天神学園を去ったのかと。 問いを投げかけた瞬間、祖父の顔が歪んだ。 その日の話はそこまでだった。