近くにあった校舎に入ってみればそこそこ中学生で賑わっていた。

がしかし、いるのは普通の中学生ばかりではなかった。

注意深く中学生を観察すれば人間とは思えないシルエットのものや、有り得ないものが付いているなどと人外丸出しの見学者も見つけることができた。

一切騒がない人間の中学生たちは気付いていないのだろうか。

――と。

そこまで考えて気がついた。

曇りのない空気、クリアな思考、少しだけ外より低い気温。

彼が慣れ親しんだ結界の感覚だ。

最も、彼が知っている感覚とは次元が違う。

ある程度の人数が関わらなければここまで綺麗な結界は張れない。

「じいちゃんが卒業した学校、か」

些細な違いを意識しないように精神に介入する結界。

そんな優しいものを創るものたちがいる学校で彼の祖父は育ったのだ。