けれど、学園で暮らす者たちと違うのも嫌だ。
ジレンマなのだ。
そこに死神だ。
彼らならば真相が知れる。
誰にも悟られずに自身の疑問を即座に解決してもらえる。
しかし、冬はいまだに疑問の答えを知らない。
同じ敷地に気心知れた死神がいる。
それだけで満足してしまったのかもしれない。
あるいは知らなくても良いと思ったのかもしれない。
冬は天神学園の生徒に触れた。
例外なく仲間だと受け入れる彼らに。
きっと彼らは佐倉がどのような道を歩んできたのか知らない。
知らなくてもいいのだ。
仲間だと言ってくれれば、冬はそれで良かった。

