お姉ちゃん、わたしたちは今、貴女が予想した通りになりました。

年に一日しか外には出してもらえず、わたしは自由に外を歩けません。
全てが隔離され、長生きするためだけに囲われています。

お姉ちゃんが、決して願わなかった通りに。
自分が死ねばわたしたちがみんなに過保護なほど護られることがわかっていた。
だからお姉ちゃんは死にたくなかった。
そうだよね?

昔は不思議だった。
お姉ちゃんはわたしたちの長で、お姉ちゃんがすることならわたしたちは何も不満はなかった。
どうして苦しんで苦しんで、死にそうな痛みに耐えながら生き続けようとしていたのか。
わかって、知って、理解していたけど、不思議だった。

でも、今ならわかるよ。
愛しいんだね。
自分の眷属って、こんなにも愛しいんだね。
自分のせいで眷属が被害を受けるのは死ぬよりも嫌だね。


だからお姉ちゃん、一言だけ。

どんなにお姉ちゃんが自分のことを嫌いだと思っていても、わたしたちは――わたしはお姉ちゃんが大好きです。


お姉ちゃんが秘密にしてきたこのこと、わたしたちはそっと心の中で宝物にします。

わたしたちは大丈夫だから。

みんなが遊んでくれて、寂しくも辛くもないから。

大好きなお姉ちゃん、安心して土に還って下さい。



敬具、吉野