「わかりました」

立ち上がり、御衣黄は再び吉野を撫でる。

「それじゃあ!」

「ただし、一つだけ約束です」

「なぁに?」

吉野は可愛らしく小首を傾げた。

「できる限り、お初さんか花王、もしくは私の目が届くところにいること。可能であれば小岩井さんにも頼んでおきます。いいですね?」

「うん!わかった!!ありがとう、御衣黄」

あどけない、幼い子供にしかできない笑みがまだ似合う。

けれど、もう子供ではないのだ。