桜吹雪が舞う――― 霞みがかかった眩しい光の中を母さんが鮮やかに微笑んだ。 これが最後だ…。 俺の中の最後の母さんの記憶…。 これが消えたら俺は母さんの全てを忘れられる? 『後悔は…しない?』 高端の声が脳裏を過ぎった。 ――本当に…これが最後だ。 母さんは光に溶け込みながらも振り返り… 確かに俺に語りかけた。 ――龍也…幸せに…――