桜吹雪の中、優しく微笑む両親に両手を引かれて歩く龍也。


その姿が僕とお父さんと…お母さんだったらと思ったあの日の情景。


幸せだったからこそ龍也はこんなにも苦しんでいる。


忘れるなと言うほうが残酷なら…。


「…龍也がその思い出を無くしたほうが幸せなら僕は止めないよ。」


君の心から吹き出す血をそれで止めることが出来るのならば…


天使が羽を震わせて哀しげに瞳を閉じた。