写真を見ると、昔はもっと茶色かった筈なのに、どんどん色が薄くなり金色に近くなっていくこの髪が俺は嫌いだ。

そのうち色が全部ぬけて銀色にでもなってしまうんじゃないかとさえ思えてくる。

そして、この瞳の色。

茶色でも黒でもないグレーの瞳…。

この色が気味悪いと幼稚園で何度も苛められた。

だから、いつの間にか前髪を長くして瞳を隠す事を覚えた。

そんな俺の髪と瞳をきれいだと言ってくれるヤツがいるなんて信じられなかった。

今までそんな風に俺を受け入れたヤツなんて誰一人いなかったんだ。


ニッコリと笑って差し出された右手をじっと見つめる。

その手を取っていいものか躊躇って…

その手を取る事も

身体を動かす事も出来ない。

高端 暁。

こいつなら…

俺の初めての友達になってくれるんだろうか――。