「そうはいかないよ。君は僕の親友になるんだから…放っておけるわけ無いだろう?」

「親友?何を勝手な事…俺は誰も信じない。親友なんていらない。」

「どうして?友達は必要だよ?特に…君にはね?」

「俺に構うな!俺は誰とも友達になんてなりたくないんだ。」

「そう?友達になりたいんじゃなくて友達になって傷つくのが怖いんだろう?」

「――っ!」

暁が一歩佐々木に近寄るたびに佐々木はよろけるように後退した…
が、暁から一定以上離れようとすると押し戻されるように風に行く手を阻まれている。

その間に暁は更に佐々木との距離を詰めていった。

柔らかく微笑んで一歩ずつ歩み寄ってくる暁を、睨みつける佐々木は自分の中の何かと葛藤しているようだった。