「…近くに龍也を感じる。
ねぇ響、これから何が起こるか僕にも予想はつかないんだ。大丈夫?」

「ああ、何があっても最後まで一緒にいてやるよ。」

「よかった。僕は初めてじゃないから大丈夫かもしれないけど、龍也は絶対にぶっ倒れるから。
僕は疲れて龍也をおぶって戻れないと思うし、もしかしたら僕も倒れるかもしれない。
だから…頼むよ?響。」

「た…頼むって?そんなすごいことが起きるのか?」

「わからない。でも、もし二人とも倒れたら学校まで行って誰か呼んできて欲しいんだ。」

マジかよ?二人ともぶっ倒れるような事になるのか?大丈夫なんだろうか。

だんだん不安になってきた俺を余所に暁は何かを感じ取るように迷いない足取りで森を歩いていく。

その時、ピクリと何かに反応したように暁が歩みを止めた。