「暁さぁ、随分楽しそうだよな。こんな時に。」

「そうかな?一応緊張しているんだけどな。これでも。」

「……どこら辺が?」

どう見ても遠足前って位にウキウキしているぞ?

「あははっ、今からピリピリしていたら龍也とぶつかる時まで持たないじゃん。」

「ぶつかる?喧嘩でもするつもりかよ?」

「殴ったりするわけじゃないよ。龍也が殴りかかってきたら別だけど。」

ニッコリ♪とそんな笑顔で言う事じゃねぇだろう?エライ物騒な話だぞ?

「響の分かりやすい言葉で言うと精神的な決闘…って所かな?
龍也の心に穴を開けて光を入れるんだ。
感情を出さないようにガードしている龍也だったら出来なかったけど、今なら出来るはずだ。」

心に穴を開けると言う意味がよく分からなかったが、サラリと言った割には暁の顔が一瞬緊張してどこか遠くを見たのが分かった。

きっとそれをすると暁の言った天使の力を失うんだろう。