今までみたいにニッコリと微笑むだけで人に安らぎを与えたり、軽い邪気をはらったりすることはもう出来なくなった。

この力ももう限界が来ている。だからこそ、僕は焦っているんだ。

佐々木龍也。

彼を見たとき僕はこの最後の能力(ちから)を彼のために使おうと決めたんだ。

きっとそれはお母さんも望んだことなんだと思う。


彼の哀しい瞳を見たときに聞こえた天使の声。


―― 暁、彼はあなたの永遠の友達になる人よ ――


うん、感じるよ。お母さん。だから僕は彼と巡り逢ったんでしょう?

今までにないほどに僕の中に力が溢れるのが分かるよ。

お母さんが僕に最後の力をくれているんだよね。