そうだ、母さんを好きだと思うから苦しいんだ。


母さんを好きだと思う気持ちを全部捨ててしまえばいいんだ。

俺を愛していると言った事も。

誇りに思うと抱きしめた事も。

楽しかった思い出の全てを、全部全部この森の奥深くに捨ててしまおう。


俺には最初から母さんなんていなかった。

優しい記憶なんて知らない。

愛された覚えなんてない。


俺を捨てた母親の記憶なんて……



そんなものはいらない。