唯一俺を冷静にさせてくれるのが知識を得る事だった。

新しい知識を得る満足感で僅かに心が穏やかになる。

誰とも接触せず自分の中に閉じこもっている時が一番落ち着く。

今はただ、がむしゃらに知識を詰め込んで、自分をいっぱいにしておきたかった。

それなのにあいつらは休み時間になると、やたらと俺をサッカーだのバスケだのに誘ってきやがる。

無視を決め込んで本を読んだり勉強をしてみるが、嫌味なほど鮮やかな笑顔で高端に取り上げられてしまう。

「佐々木君。こんなに天気がいいのに教室で勉強なんて不健康だよ?
小学生の内しか思いっきり遊べないのに今からそんなに勉強してどうするの?」

そう言って高端独特の天使スマイルで安原と共に俺の腕を有無を言わさずに掴むと、ズルズル校庭へと引きずっていくんだ。

……これでもう5日連続だぞ?いいかげんにしろよ。

こいつらはもしかして俺をイジメているのか?