でも、これは彼にとって必要な事なんだ。

自分以外の存在を見て、受け止めて欲しい。

亀の甲羅を割るのは難しいけれど、亀だっていつかが手足を出して歩き出す時が来る。

君の固い甲羅を割る事はできなくても、手足を伸ばして大きく息を付く時を僕は待ちたいと思う。

僕を見て?

僕の中に君は時々誰かを見ているね?

僕は君を救うために出逢ったんだよ?

ねぇ人が出逢うのには必ず何か意味があるんだ。

僕と佐々木君は出逢った。

そして、それにはきっと大きな意味がある。


僕はそれを強く感じているんだ。

僕には分かる。

僕と響と佐々木君…

僕らはきっとずっと前から互いを知っていたんだ。

そう

たぶん生まれる前の前世で

僕らは既に友達だったのだと思う。