僕のお父さんはお医者さんだ。

お父さんがいつも言うんだ。

お医者さんは病気を治すだけじゃなく、その人の心も一緒に治してあげないといけないんだって。

僕はお医者さんになるかまだわからないけれど、お父さんがお母さんを助けてあげられなかった事をとても哀しんで、今もその病気を治す研究を続けている事を知っているから、そのお手伝いをできるようになりたいと思っている。

僕はみんなに笑っていて欲しいんだ。

僕には少し不思議な力があるらしい。

人には見えないものが見えたりするんだ。

たとえばね、僕のお母さんは僕を産んだ時に死んでしまって一度も会った事が無いんだけど、それでも僕はお母さんを知っているんだ。

お母さんは天使になっていつも僕たちの周りにいるんだよ。

そして悲しい顔をしている人を見ると教えてくれるんだ。

『暁、この人は助けが必要よ』って。

そして僕にパワーを分けてくれる。その人がもう一度笑顔を取り戻す天使のパワーを僕に送ってくれるんだ。

こんな話人にしても信じないから誰にも内緒だけどね。