【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~

昼前に学校が終わり帰宅したアパートに母さんはいなかった。

ドアには鍵もかかっておらず、約束どおりカレーが鍋に用意されていた。

すぐに食べられるようにとテーブルに食器も用意されていた。

いつもと代わりの無い風景だった。


ただ、その中に母さんだけがいなかった。


その日から母さんの行方はわかっていない。


父さんは会社を休んで毎日心当たりを訪ね歩いた。

俺は何度も母さんと一緒に歩いた公園や川縁を走り回って探した。

子供の足で探せる範囲なんてたかが知れている。

でも…じっとしている事なんて出来なかった。