【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~

子供に甘えてどうするんだよ母さん。

…ったく、心底甘えん坊なんだから。父さんも甘やかしすぎなんだよ。

…って、なんで俺がこんな説教臭い事考えなきゃならねぇんだよ。

「わかったわかった。母さんこそフラフラ歩いてて事故にあったりしないでよ?」

「あははっ。は~い。気をつけます。」

そう言うと嫌がる俺の頬に無理矢理キスをして満開の桜のような笑顔で送り出してくれた。

アパートを出て振り返ったとき、桜の花が雪のように降る中、佇んで微笑む母さんの姿は霞みがかかったように見えてまるで桜の精のように綺麗だった。


それが、母さんを見た最後だった。