「風が冷たくなってきたな。陽が沈む前にそろそろ戻るか?」

龍也の声に顔をあげると二人が同時に両手を伸ばし座り込んだ僕を引き上げてくれる。

その手の温もりは深い眠りから僕を引き上げたあの感覚を思い出させた。

この先僕の傍にはいつだって彼らがいるだろう。

いつの日もいつの時代も、こうして手を伸ばせば互いを支えるように両手を掴んでくれるだろう

うれしい時楽しい時に振り返ればそこにいる。

苦しい時哀しいとき気がつけば何も言わずに傍にいる。

苛立ちや痛みに負けそうな時に共に苦しみを分かち、道を誤りそうな時には本気でぶつかってきてくれる。

この確固たる信頼関係と友情は、きっと僕らの前世から繋がっていた絆なのだろうと確信しているの、はたぶん僕だけでは無いと思った。