僕らが今でも毎日のようにここへ来るのには訳がある。

抗えない力に封印されていく自分たちの記憶を手繰り寄せ、たとえこの記憶が消えてしまっても僕らの絆が決して消えないように互いの存在を深く胸に刻むためだ。

水が土に染み込んでゆくように、僕らの手の平から零れ落ちた記憶は身体の奥深くに染み込み封印されてゆく。

代わりにこの手の平に残ったのは、互いへの信頼と友情という名の鮮やかな結晶だった。

三人でいることがとても自然であると感じ、互いが認め合っている。

いつも一緒に何かをしたいとかではなく、三人でいることが心地良いという感じだと思う。