初めて感じる『友達』の温もり…。

こんなに強引な事をしていながら、一応緊張しているのか僅かに高端の手が汗ばんでいるのを感じた。

だけど、気持ち悪いとは思わなかった。

むしろ、胸のずっと奥があったかくなって、ジンワリと視界が桜の花の色に染まって、高端の顔が見えなくなっていく。

自分が涙を流していると気付くまでに随分かかった気がする。

高端はきっと戸惑ったと思う。

それでも、あいつはそんな俺の手を何も聞かずにずっと握り締めていてくれた。

その日、俺は初めての友達を手に入れた。

その出逢いが永遠の友情の始まりだとは知らずに…。