桜の花吹雪が舞い上がる。


「やすはらひびきくんって言うんだね?
初めまして。君の瞳スゴク綺麗な色だね。
髪の色も太陽みたいだし…すごいや。天使みたいだ。
僕とお友達になってくれる?」

声を掛けられてのが自分だって気付くまでに時間がかかったのは、誰かが自分に声をかけるなんてことあるはず無いと思っていたから。

だけど、そいつは漆黒の瞳に強い光を宿し、真っ直ぐに俺を見て太陽のような眩しい笑顔で話し掛けてきた。

「僕、高端 暁って言うんだ。ヨロシクね。」

明るい微笑と共に差し出された右手。

ためらう俺の右手首を左手でグッと掴むと、無理矢理自分の右手と繋いだ高端に、俺は驚きを隠せなかった。