「あいつは大丈夫なのか?」

「ああ、身体は何処も異常は無いらしいんだけど、きっと力を使い果たしたせいなんだろうな。
目が覚めるまでは心配でさ無理を言ってあいつが目覚めるまで一緒にいさせてもらっているんだ。ここは暁のおじいさんの病院だそうだよ。」

「そうなのか。俺達どうやってここに?お前が誰か呼んできたのか?」

「俺も暁から凄い光が出たあの時に気を失ったんだよ。
俺達が帰らない事で大騒ぎになったらしくて、警察に連絡するって話しになったらしいんだけど…。
その時に暁のお父さんが森を探せって言い張ったらしいんだ。」

「高端のお父さんが?」

「うん。誰も森へ俺達が入るなんて思ってもみなかったはずなのに、暁のお父さんは何かを知っていたのかな。」

「…そうか。」

もしかしたら天使が、いや高端のお母さんが何かの形で知らせたのかもしれない。

俺が思ったことを何も言わなくても安原は感じていたんだろう。

黙って頷いただけだったが確かにあいつの気持ちが繋いだままの手から伝わってきた。