俺が覚ました時、暁と佐々木はまだ深い眠りの中にいた。

一番に目を覚ましたのが俺だったのはたぶん一番あの光の影響を受けなかったからだと思う。俺たちは真っ白な天井と壁に囲まれた部屋に寝かされていた。

光に囲まれた眩い世界から戻ってきた俺には、その白さがまだ夢の中にいるような錯覚を覚えて、看護婦さんの呼びかけもどこか遠い世界の出来事のようだった。

あれは夢だったのか。

いや、そんなことはない。

あれが夢なら俺たちが三人そろってここで寝ているはずがないじゃないか。

だけどどうして俺たちが森にいることがわかったんだろう。

あのとき森に入るのを誰かが見ていたとは思えなかったのに。