「あー!お前またやったな!」



「えー何のことー?」



「とぼけんじゃねーよ!毎度毎度、俺の教科書に落書きすんじゃねー!!」




大声で叫びながら、隅にドラ○もんを書いた教科書を見せてくる桜太。



あたしはそんな桜太を見てプッと笑う。



入学式から3日。



まだそう日は経っていないくせ、あたし達の言い合いは日に日に度を増していく。




やっぱ子供じゃん。





「…んだよ、その目は!!」



「ガキ」




あたしの顔を指差す桜太に向かって一言。



すると桜太は教科書を丸め、あたしの頭を叩く。




「いっ!……何すん…」



「はぁーい、ストップ!」




あたしが怒ろうとすると、間に割って入ってくる舞桜。



これ以上見るのが嫌になったのだろうか。



たしかに周りに迷惑かけてるとは思うけど……。




「はぁーい」



「よろしい」




そう言って、ニヒッと笑う舞桜。



その無邪気な笑顔がまた可愛い。



舞桜を狙っている人も、そう少なくはないはずだ。