結局俺と郁奈は先生の探し物の手伝いをすることになった。

良樹が「俺はしらねぇぞ」と言って帰り、雪は「ふぁいとなのだよ唯鹿!私にはやらねばならぬことがあるのだ…」と言って走り去り、真は「塾があるので…」と逃げた。 この島に塾なんてものはないのに。


結果、自主的に手伝いを申し出てくれた郁奈と一緒にいる。

探し始めてから一時間はたつけれど……

「ない…ですね」

「うーん…おかしいなぁ…確かにここで落としたのになぁ……これじゃぁ、今日使えないなぁ…ん…今日…………」

ふと郁奈を見ると、郁奈は神社の祠をじっと見つめていた。

「郁奈?」

「えっ……あ。ごめんなさい。なに?」
「いや、どうしたのかと思って」

「な、なんでもないです」

郁奈は慌てて首を横に振る。

「あーーーーーっ」
先生が急に叫びだした。

「どうしたんですか?」

「ごめんっ!筒路くんっ阿万寿さん!先生うっかりしてた!」

何を今更。

「今日はお祭りだったわよね!先生ちょっと村長さんとこ行ってくるわ!」

先生は駆け出す。

「それじゃぁ、お祭りでねーー」