俺には予想したような衝撃はこなかった。

ただ、目の前で良樹に斧が刺さっていた。

俺は情けなく、へたりこんでいて、それで…

「んー、んー?」

雪が不思議そうな顔をする。

「良樹、動けたんだね?ふふふっ…」

「ゆ、き…」

良樹は地面に崩れる。

全てがスローモーションだ。

「なにかなぁ?良樹」

「……」

最後、良樹がなんて言ったのかわからない。わからないが、ただ……


良樹が笑ったのだけはわかった。

先生が雪を撃った。

雪が倒れる。

…雪は、泣いていた。