薬品のにおいがする。 白い天井… 母、さん…? 「全く、心配かけて…父さんがいなかったら、あなたたちは今頃…」 「俺一人の力じゃないさ」 「そういえば、助けてくれた人がいるのよね?」 「あぁ」 父さんも生きていた。 「父さ…」 あれ? 自分の声が、高い。 「どうしたんだ?父さんだなんて」 「…ぁ」 父さんの後ろには俺がいる。 俺の手から時計が滑り落ちる。 俺と目が合う。 ぼくは……