俺はロープを持って真が発見されたという神社の近くの沼へ行った。

待ち合わせまであと30分


真はそこにいた。

沼の真ん中で真が突っ立っている。

腰くらいまで沼に飲み込まれていた。

「真っ!」

真はゆっくりとこちらを向き、弱々しく笑った。

「やぁ唯鹿…こまったなぁ…」


「こまったなぁ…じゃないだろう!?どうしたんだよっ!」

ははっと笑う真。はなす気はないらしい。

俺は真に向かってロープを投げる。が、取れない。

「くそっ…」

ロープを近くの木に結びつけてもう片方を自分に結びつける。

そして沼に入る。

「なっ……唯鹿!?」

「いいからっ」

俺は真のところまで行き、真をつかむ。

ロープを握り、引っ張りながら沼から出ようとしたときだった。

プツンとロープが切れた。

「!?なっ」

ロープが切れた勢いで体が傾く。

手がなにか堅いものに当たる。時計だ。

俺は沼に沈む。

頭の中で、真と同じように、こまったなぁ…と呟く。