「....し」
「...とし」
「慧!!慧ってば!!」
詩織の声がして、目を覚ますと、目の前にはくま。
「わっ!!!!!!!!」
勢い良く起き上がると、自分に毛布がかけられていたことに気づく。
そして、目の前にはくまを抱えた詩織。
「ハハッ、慧驚き過ぎ!!
どくたーくんに失礼でしょ」
「はぁ?どくたーくん?」
「このくまの名前」
どくたーくんと名づけられたクマのぬいぐるみは、かなり古い物と受け取れた。
「かなり古いな」
「どくたーくんもそろそろ歳かな?」
かなり古いと言っても、ちゃんと綺麗にしていたんだろう。
そこまでボロボロには見えない。
「どくたーくんとは、二十何年のお付き合いかな」
「なんなんだよ、そのどくたーくんって」
「ひかりさんと、広志さんに買ってもらったの。
はじめてのプレゼント。
はじめて私から、欲しいって甘えたプレゼントかな」
どくたーくんを抱いた詩織は、
俺がぬいぐるみに嫉妬するほど、
幼くて
可愛い顔をして笑っていた。

