俺の間宮とは血繋がらない間宮だった。


それだけで、安堵した。




「間宮家はね、代々政治家などが誕生するエリート一家だったの」



「間宮...え?もしかして」



「えぇ、あなたの頭に過ぎった政治家も、間宮の家系よ」




あんなエリート一家の...




「忠仁さんは、その間宮家の長男だったのよ」



「え?」



「エリート一家の古き考えってやつが、志乃さんとの関係をめちゃくちゃにしたの」




安易に想像できた。



そんなエリート一家の長男だ。



将来なんてある程度決められていて、

変な話、志乃さんという一人の女性の存在は邪魔だった。




「志乃さんはね、学力に優れていて、学歴に関してとかは問題がなかった」



「え?じゃあなんで?」



「権力がなかったのよ。

....ただそれだけ」



「は?」



「忠仁さんには、忠仁さんが知らない婚約者がいた。


膨大な権力を持つ、これまたエリート一家の一人娘」



「志乃さんは、権力のない、ただの家柄だから、反対されたんですか?」



「簡単にはそうね、

あとは....忠仁さんが普通の人間になったから」