「詩織ちゃん、寝ちゃった?」



「あぁ、はい。

久しぶりに見ました、
気持ちよさそうに寝てるの」



「そう、そうね、

施設のシスターも困っていたわ。


詩織ちゃんが見せる苦しそうな寝顔に」




ひかりさんはそう言うと、悲しそうに笑った。



詩織のあの寝顔は昔からだったのか...




「でも良かった。

今は幸せそうなんでしたっけ?」



「えぇ、昨日とか、前ほどは」



「そう、本当に良かった。


間宮慧さん、ありがとうございます」



「い、いえ、」




ひかりさんは頭を下げると、ニコリと微笑んだ。




「本当はね、詩織ちゃんを幸せに出来なかった間宮を恨んでた。」



「....はい」




なんとなく、ひかりさんの言いたいことが分かった気がした。




「最初は、柿園のご両親は賛成だったのよ、

忠仁さんの印象も良くてね、心からお祝いしてた」



「...はい」



「でも間宮の人間がすべてを壊したのよ」