運命で私は間宮という人間に出会った。



偶然か必然か、はたまた両親のプレゼントか。




「さとし、慧ぃ.....」




「詩織は愛されてたんだな、
お母さんにもお父さんにも、神様にも」



「うん、ちゃんと愛されてた..」




ずっと、私にとって悲しき過去だった。



捨てられたんだとずっと思っていた。



私のせいで両親を苦しめてしまったんだと思ってた。



でも、映像の中の二人は笑ってた。



私を攻めるわけでもなく、

私の将来の幸せをただただ願ってくれていた。



私だけでなく、慧にも言葉を残して。



私が結婚するなんて、この時保障出来なかったのに。



馬鹿なのかなぁ、この親は。


だから私、慧に馬鹿馬鹿言われるんだな。




「詩織...幸せにする、絶対に」



「...うん、私も慧を幸せにする」




両親が見守ってくれている。



両親はずっと願ってくれている私の幸せを、きちんと空に届ける。




「泣くなよ、詩織」



「う、ん」



「ほんと、泣き虫だなぁ」




慧の腕の中で、かすかに残る記憶をさ迷う。




『詩織、
私たちのぶんも幸せになるのよ。


こんな私たちで、
本当にごめんなさい......』