私の甘えは、きっと可哀想だと思われる。



可哀想な子の我が儘。



思えば思うほど、広志さんとひかりさんにも、友達にも甘えられなくなっていた。



唯一、ほんのちょっとでも笑えるのは、花香のみだった。



間宮慧に出逢うまで、私は人と自分が大嫌いだった。




「詩織、インターホンはどっちが押す?」



「えっ!?あ、あぁ…わ、私が押します」




敬語だし、第一人称が別人になってるし…

慧もガチガチだし…




「フッ、二人してブザマだな。」



「……うん。

でも、大丈夫だよね?」




私は慧の左手を、ギュッと握った。



慧は笑いながら、強く、でも私の心を包み込むように握りかえしてくれる。




「行くか、詩織」



「うん、じゃあ押すよ」



私は息を飲みながら、左手の人差し指を伸ばした。




「お、押すよ」




私がまだ押さないと、慧が上から押してきた。



私の人差し指と、慧の右人差し指が重なる。




「///////」