まぁ。
私はファーストキスを奪われ、最初はお礼も言えないくらいに彼を嫌っていた。
でも、花香の突然の入院が私を変えた。
医者である彼を、少しずつでも知りたいと思うようになった。
それは、彼も同じだったようで、私に好かれるように必死だったみたいだ。
そして、彼から告白されて付き合い始めた。
ファーストキスが彼に奪われたということは、何もかもが初めてということで。
いい歳して処女とか、笑われると思っていた。
でも、初めてそういう雰囲気になった時に怖くなって聞いてみた。
彼が私をベッドまでお姫様抱っこをしてくれている時。
『あの、私処女で…して……その………』
『うん、だから?』
『めんどくさいんでしょう?処女って………
それに経験豊富そうだし……止めてもいいよ?
……なんなら別れる?』
処女という恥ずかしさから、ワケの分からないことを喋っている私。
彼は私をベッドから降ろすと、クスリと余裕そうな笑みを浮かべた。

