ちょっとだけ、不安だった。
慧と6歳しか変わらないお母さん。
美人で、性格格好よくて爆乳。
過去に何も無かったのか。
少しでも、紗智子さんに恋をしてしまわなかったのだろうか。
抱き締められながら、フッと考えて…止めた。
「母さん放せ!」
「ん~慧も可愛い!!」
でも、嫉妬するくらいに二人は親子だった。
「いい加減にしろッ!」
「あっ、慧が怒った~!
怖いねぇ~詩織ちゃん」
慧をはじき飛ばして、私一人をギュッと抱き締める。
「おま…俺の詩織を返せ!!」
「ん?ヤダ~」
紗智子さんも何かと手強い。
あの慧と対等に、口拳嘩するとか。
「慧頑張ってね、詩織ちゃんの家」
「あっ…あぁ、うん」
慧はいきなりの話に、目をまん丸くした。
その顔は緊張を浮かばせている。
ってか、そう…だよね。
広志さんとひかりさんに会わなきゃいけないよね。

